11/15 映像からの始り
次回公演の「アウェイ街区」というタイトルは、前のエントリーで書いた通り、行進・横断したときの「みなとみらい」の眺めから来ている。
そして、3つのダンス作品を軸にした構成については、2005年夏の「アウェイ遠征」に参加していた金川慧子から、永井美里の紹介を受けたことを始りとしている。
ZAIMへの入居を終えて間も無い、7月末、渋谷TSUTAYAの前で最初の待ち合わせをした彼女は、横浜にある神奈川総合高校を卒業した後、ロンドンのダンス専門の大学へ留学しているため、日本での活動経験は無い。そのままQFRONTの6階に上がり、WIRED CAFEで大学時代の舞台作品の映像をノートPCで再生し、見せてもらう。知り合う以前に作品を通じて名前を知っていた、酒井幸菜や木野彩子とは異なる形での始りになった。
彼女が関心を寄せていたテーマは、「Living room」だった。この言葉は、日本で発表されているコンテンポラリーダンスの作品タイトルとして多く耳にする。同じこの名前を冠した、異なる作家の作品があるからだ。そのため正面を向いてその言葉を言われたとき、微妙な、そしてともすれば逆に、新鮮な印象を受けたことを覚えている。紹介の経緯を振り返りながら、「アウェイ遠征」のときの「ひとつの部屋×さんにんの劇作家」というタイトルコピーを思い出し、すぐに「今の自分にとってのLiving room」について、思い描いていた。あのときにできなかったことを、ダンスで再び試す。目の前のPCの中で踊り続けるダンサーではなく、その瞬間から、頭の中に浮かぶ光景が眼に入ってきた。
酒井幸菜「Noon」、木野彩子「In the room」が、他の場所で上演された経歴を持つ再演作品(*「In the room」は毎回対象が変わることによって作り直されていくコラボレーション作品)であるのに対し、永井美里「Living room」は、作品タイトルとしては既にロンドンで発表されているものと同じだが、今回のAAPA+において全面的に一から作り上げた新作になる。短編・新作というAAPAのこれまでの形を引き継ぐ作品として、現在も創作を行う日々が続いている。
