7/11 現代の、浅い歴史
劇場で行われるダンスにも様々な種類がある。シンプルに考えるとして、空間、時間、身体のどれに焦点が当たっているかで、作品内容は大きく変わってくる。
例えば、今年の初めに吉祥寺シアターで観た、Co.山田うん×deepblue 国際共同制作公演 「ひ び」(振付・出演:山田うん、篠崎由紀子)は、劇場空間はほぼ素舞台のまま使われ、時間経過に伴うドラマ的な展開は見られず、強烈に身体にフォーカスがされていた。このことを知って劇場に行くのと、知らずに劇場に行くのとでは、印象/覚悟がかなり違ったものになるだろうと感じた。
(※作品について詳しく書かれた舞台評が、コチラに掲載されています)
覚悟と書いたのは、現代の作品(contemporary)は「なぜ・いま、これが起こっているのか?」ということへの理解が、大きく作品そのものから受ける印象、更に言えばその評価に関わるからだ。そのため、作家が何をテーマとして今回の作品に挑んでいるのかを知ることは、重要に感じる。公演期間は、大抵は一週末限りなので、初日の舞台を見てからそのテーマが伝えられていく形では、多くの人は舞台に居合わすという行動に移すまで至れずに終わってしまう。新作の場合、できる限り事前に、作品内容がどのようなものなのかを広く伝えられると良い。AAPAは毎回、それが出来ていないのだが。
世界には無数の舞台作品がある。好む作品との出合いを喜ぶ人も無数にいる。
だが世の中で多くの人に情報として伝わるものは、「最大の消費者層」が求めるものであることが条件になることが多い。そのため多くの作家は自主公演の形式を取り、作品発表を続けていく。結果として、公演前に広く情報を伝えることまで手が回らず、実際は多様な趣向を持つ人々と、多様な作品が出会う機会は、さらに限られてしまう。
音楽の分野で、ネット配信を行うモンスター・ラボという会社がある。現状の音楽の情報流通経路が、作家・オーディエンスの持つ多様性に応え切れていないと、未来を語っている。彼らは、ニッチなジャンル(楽曲)で作家名や楽曲名を知らない場合でも、多様性を持つ各ユーザーがそれぞれ興味のある作家・作品に辿り着ける工夫を、サービスとして提供している。サイト上での楽曲購入の方式も、その工夫のひとつだ。
『価格は100円~200円の間で、リスナーが自由に決められ、標準価格の120円を超えた分はアーティストやレーベルに活動資金として提供する仕組みだ。「海外では、ストリートミュージシャンにチップを払う文化がある。日本でも、音楽活動を温かく見守る文化を作りたい」』
今、舞台を行う場所(劇場/シアター)は、淡々と順を追って変わり始めていると感じる。それでも、何も意味付けがされていない、文脈が読めない場所・状況で、多くの舞台は今も行われ続けている。ただ厳しいその環境に対し、何か自分から出てはこないかと動いた結果、AAPAはそのような環境があるということがわかりやすいよう、ただ突っ立っただけで、まだ歪だ。Away,
シンプルな姿は見つかるかもしれないし、そうはならないかもしれないし、まだわからないが、それでもこれは変わる時期だろうなと感じるので、今日はこんなことも書いてみた。
