2/22 作品の背景

舞台が、実際に客席と地続きの空間で行われていることが意識されたとき、作品そのものを体験した印象と同時に、舞台と客席のある場所にたどりつくまでに(あるいはその場所から外に出たときに)通る空間の印象も、観客になる人には強く残るものだと思っている。

生活環境の特徴を取り入れた舞台作品を作りたいと考えてAAPAの活動を始めたとき、このことが意識にあって、舞台と客席のある場所(劇場空間)の外に広がる空間のことを考えて、様々な劇場ではない場所(生活環境)で舞台作りを行っていく内に、だんだんと、周囲の生活環境を人間が身体を器にして運んでいるように思えてきた。

というのも、ここで意識していることは、見方を変えれば観客になる人が、舞台作品の世界(「ここから離れた場所」)に、舞台と客席の外に広がる空間の特徴を運び入れたり、混ぜ合わせたりしているということだからだ。そう考えると、生活環境というのは実際の場所としてある以上に、生活環境を繰り返し通過することで日々を過ごしている、人間の身体自体に存在しているように感じる。


前回の作品(「Papergate」)を作り始めるとき、このことがちょうど頭にあって、東京都心までのルートを行き来し、夜に生活環境としての東京近郊に帰る日々を送る中で、身体に蓄積されていく生活環境というのはどのような形を持つのだろう、ということを考えていた。

そしてこのことを、実際に東京近郊で暮らす自分の生活に置き換えて考えてみたとき、自分の生活環境("わが町")は、「あるひとつの地区」というより、離れた場所をつなぐ導線としての"papergate"が集まることで現れる場所、と言ったほうが実感に近いと思った。複数の流れが注がれ続ける、湖としての場所。それは水槽、あるいはコップなのかもしれないが。

今回の作品(「PAPERGATE」)では、この感覚についてもう一度深く、思いを巡らせていきたいと思う。

2008年02月22日(金)

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