5/25 表情を見る

先週、野毛山動物園で行われた、『動物園物語』(作:エドワード・オールビー)が原作の『Zoo Zoo Scene(ずうずうしい)』(演出:中野成樹)を観た。最初に動物園ツアーがあって、園内をぐるぐるとコンダクターの後をついて歩き回り、たくさん動物を見た後に、それまで通ることのなかった見晴らしの良い広場に通され、そこで少し遠巻きに、2人の役者がぽつんと、そしてうろうろと動く様子を眺めた。いま思えば、そのときの自分は動物を見るような目で、その様子を眺めていたのかもしれない。これは、『動物園物語』の作品内容ともリンクする。

が、それ以上に「動物」ということを意識したときがあって、それは最初に10分ぐらいそういったシーンがあった後、客席と舞台があるところに移動し、あらためて芝居を観ていたときだった。役者のひとり(佐久間文利)が犬に話しかけるという話がでてくるのだけど、そのときのその役者の表情が、本当に犬のような動物に見えたのだ。

午後の、まだ日が十分に出ている時間の芝居だった。観客は、劇場外での舞台で何を見るのだろう、ということをふと考えた。
自分は、観客は、目の前のものを、それだけでは見ていないように思う。何か見えないものを目の前のものに重ねて、二重化したものを見ていると思う。


2008年05月25日(日)

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