3/6 劇場と音楽について

昨年秋の『足跡』を終えて、2月の『海を歩く』の再演に向けて創作を始めてから、AAPAはバンドのsylian rue と、創作を続けています。
バンドというからには音楽なわけですが、AAPAの舞台で音楽が流れるのは、かなりひさびさです。

AAPAは、劇場ではない場所で公演をしようと考えて活動を始め、そのうちに舞台で流す音も、國府田くんが「環境音響」として参加するようになってからは、環境音や声など「日常のなかで記録した音」を材料として使う方向になりました。
振り返ってみると、2008年の『PAPERGATE』からは、作品のなかで音楽は使ってないです。(開場から開演にかけての導入では、ときどき使っている)


そんなAAPAが、バンドと一緒に創作をする(音楽を流す舞台をやる)理由はいくつかあるのですが、ひとつ挙げるなら、それは2010年から「劇場」での公演を試してきた結果だと思うので、そのことについて書いてみます。

その前に、なぜ劇場で公演をするようになったのか、について先に書いておくと、2009年に「(倉庫空間の)劇場化」をテーマにしていた、大野一雄フェスティバルに参加させてもらい、『COVERS』を創作したことが大きかったと思う。
(このときに、通常の「劇場」で公演をした経験がない自分たちが「劇場化」について考える、ということにひっかかり、劇場について意識するようになった)

劇場外で公演をするとき、AAPAの名前にあるAway は「(普段は意識してない)日常の場所」。
では、劇場で公演をするなら、そのAway は何になるのだろうか?

そのことについて考えて、『COVERS』以降のAAPAの公演では、舞台上に「(普段は意識していない)ひと」がいることをAway と考えて、音響や演出、観客誘導などで参加しているスタッフが、舞台上を歩いたり、その場所(作品)に関係する形で出てくるようになりました。
このことは、AAPAが劇場外での公演で、客席のない、移動する(できる)形で公演をしていたこととも、つながっています。


ただそれも、慣れれば「いつものこと」になり、「なんとなく」で通じるものになっていくと、感じるところがあったのも事実。
むしろその「なんとなく」が、「劇場」ということかもしれない、と感じていたからこそ、劇場外での活動を始まりとして、これまでのAAPAを続けてきたわけですが、それも少しずつ変化している。


そこで、劇場にいるなかに「(普段は意識してない)ひと」がいる形を、今までAAPAで続けてきた方法の外にあったもの、たとえば音楽と一緒にやることを、あらためて始めてみる。

これが、一昨年から昨年、AAPAで「劇場」での公演を試してきたなかで浮かんできた、結果なのだと思う。

2012年03月06日(火)

Copyright (C) 2004-2015 AAPA. All Rights Reserved.