2007年12月のノート

12/30 駅前に行け

今年の4月末のワークショップから継続的に稽古に参加していた、ニューヨークの演出家(Yelena Gluzman)の舞台への出演も終わり、一息。
あらためて、上記のリンクにあるワークショップの紹介文やイェレナのプロフィールを読む。最初は何の実感も無く読んでいたが、公演が終わったいま、この文章から現れてくるものがある。この「最初に読んだときに実感がわかない」ということに、いくつかのヒントがあるように思う。そのひとつとして、自身の特徴のことを挙げると、文章の内容を信用する以上に、参加の門が開かれているのなら現場に訪れて判断すれば良いと考えているということか。だが今は、文章をもっと信用したいと感じている。自分が書く文章を、信用に足るものにしていくためにも。


そして今年はもう終わりだが、この一年、やろうと考えたことは殆どやった。来年は、この2007年の経験から学んだことを活かして、この先へと進んでいきたい。
そのときまず考えるのが、「AAPAとは何か」という自問自答。それでも今は、以前より明確な形が見えてきた。「AAPAについて」に書いた内容の先には、AAPAの活動の意味であり目標になる「生活環境をあらためて見つめるための場として、舞台("THEATER")を作る」ということがあると、今はより強く意識することできている。この言葉だけで充分に実感してもらうことは難しいに違いないが、それでも「なぜ劇場以外の場所で舞台をやるのか」という問いに、より直接的に答えられるようになってきた。

AAPA / Away at Performing Arts は、生活環境をあらためて見つめるための方法として、想像の世界(ここから離れた場所)にある舞台を作り続けていく。

来年、2008年のAAPAは、前回、急な会場変更の経緯を経て、入居するZAIMの地下空間で発表した「Paperagate」を、当初予定していた旧東横線桜木町駅舎(現・創造空間9001)に会場を移し、あらためて「自宅近くの駅前/ターミナル」の光景を見つめる舞台として作り上げる、『巡演の時間 その2/「PAPERGATE」』から始まる。
まずは年明け、1月13日・14日に横浜・STスポットにて、3月末の「PAPERGATE」の出演者募集を兼ねたワークインプログレスを行います。詳細は次回企画をどうぞ。

2007年12月30日(日)

12/20 ニブさ

今日、外部出演をしている舞台の初日が開いた。

とても難しい状況だと思う。常に変わっていく、変えられていく。
I don't know.

ただ、本番前日、最後の最後で頭に浮かんできたのは、かなり前に見たShing02のドキュメンタリー映画(タイトルは"DROPPIN’ LYRICS"だったようだ)の中で出てきた、確か移民家系の子ども達が集まるスクールの授業で行われている、演劇発表のシーン。そういえば、こんな感じのことをあの映像の中ではやっていたなと、ふと思い出した。

しかし、あの映画を見たとき、映画自体は面白かったんだが、その演劇についての部分は、何がそんなに感情を揺さぶられるようなことがあるのか、よくわからなかった。今も、こうして自分が参加している演劇がそれに近いようなテイストがあると感じると同時に、その真価というか、深層に触れているような気はない。

そしてそれは、自分自身、あるいは自分がいま暮らしているその環境自体の感度を表しているようにも思える。そう考えれば、それは何か、自分が落込んでいるニブさのようなものを表しているようでもあり、恐ろしい気もする。気持ちだけだが。

あえて感情を取り上げるなら、怒りは度々揺り起こされている。行うことのテイスト、その際のスタンス。意識の違いを目の当たりにして芽を出す、攻撃的な感情。確かにこれは、現実の閉じている有様を表すのだろう。他者も含めて、その環境自体が不安定な現実として時を重ねている、この場所という当事者の姿を。

だが面白いことに、今日はとても良い天気で、快適だった。自分がいまできることは、素直な意味でそれを喜ぶことだと思う。


夜になる、そう考える電車に乗る、東京の東から西へと渡る。

今週末は、東京は雨だそうだ。

2007年12月20日(木)

12/15 初心

なぜ、劇場以外の場所を空間として舞台を作り、発表するのですか。

AAPAの公演を観に来るひとが持つ、素朴な疑問のひとつはこのことだろうと、前々から思っている。

これには様々な理由があるのだけれど、思いつくものから挙げるとすれば、そもそも中心になっている人間が、劇場の設備を使って舞台を作った経験が無いというのがある。劇場のような場所や舞台での実演の技法を知る前から、学校の教室などを使ってパフォーマンスを作り、それを眺めてくれるひとに見せていたたので、舞台をやるから劇場が必要という考えが、最初から無かった。別に場所は、それなりに長期間使うことができて、照明や音響用の電源が引いてこれるところであれば、何をやりたいかに応じて好きに選べば良いものだった。

ただその内に、「劇場」という設備も市内に1つあるかどうかというレベルのものではなく、小劇場と呼ばれるものが東京には数十箇所の規模であることを知った。また自分がやってみたいと思うようなことが、「舞台芸術」というジャンルとしてあることを知った。ただこのことに気づいたときには既に、大学に入ってそこそこ経っていて、劇場以外の場所で舞台を作ることが普通になっていた。なので劇場以外の場所であることに疑問を持つことのないまま、単純に事は既に、進み始めていたというわけ。

そして大学を卒業し、キャンパスの中で舞台を行う理由が無くなったとき、初めて外の「劇場」に目を向けたが、契約に必要な金額を見て、それに素直に納得することはできなかった。単純に計算して、公演をしても採算があわないというのもあるが、なぜそれだけの金額を必要とすることを自分たちがやろうとしているのか、理由が見えない、というのがあった。自分はいま、何をしようとしているのか。皆で南の島に、旅行にでも行けば良いのではないか?

ちょうどそのとき、大学での研究調査を兼ねて行った沖縄が楽しかったので(笑)、それなら夏に海水浴場で海の家をやるグループに混ざって舞台をやるのもありだ、と。それも地域の人とのつながりで、なぜか今回の海の家には場所の権利費というのがかからないらしい。それならこっちの方が良いではないか。
始まりは、そんなところだった。

そして海の家といっても、単純に今年はひとつ海の家をやらないところが出たから、その空き地になったスペースを使って良いよというだけだったので、とりあえず何かを建てようという話になり、自分たちで何か建物を作ったことなど一度も無いのに、プラスチックダンボールを使い、「フラードーム」という建築方法でドームを建てようとした。そして実際に作り上げ、確かに10数日の間、そのドームは砂浜に建っていたのだが、ある風が強い朝に、ドームは風ですっとんでいった。結局、舞台の日はそのバラバラになったパーツを拾い集め、なんとなく集まった皆の周りに配置して、場のようなものを見立ててそこでパフォーマンスをした。「劇場」での舞台とはあからさまに違う類のところで、よくわからないままに思いついたことをやっていたのだと思う。

この2003年の夏を教訓に学んだことは、学校のキャンパスから離れたからには、舞台を眺めてもらう空間として確実に使える場所を確保することが大事だ、ということだ。海の家を企画していたグループでも、次はもっと丈夫なものを建てよう、それには建築の知識が必要だという話が挙がったようで、次の年に同じ砂浜で海の家をやるという話になったとき、現場には建築を専門とするメンバーの姿があった。そしてその後、当初の企画主催者が辞めるという紆余曲折があり、舞台公演を企画から手がける形(「茅ヶ崎戯曲」)が取られ、同時にAAPAの活動が始まった。


なぜ劇場以外の場所で、舞台をやるのですか?

エントリーの最初に書いた、この質問への答えは、AAPAの場合はいまここで書いた事実以上のものではないと思う。確かにそこには、様々な理由や経緯があるけれど、ポイントは、劇場設備について知る経験の無いまま、舞台を勝手に作り始め、そのままの状態で作り続けていたこと。そしてその後も、一般的に「劇場」を借りる際に必要な金額に対して、根拠のある説明を自らにすることができなかったこと。大きくは、このふたつだと思う。

舞台を勝手に作る志向は今も続くと同時に、未だに「劇場」を借りるために必要な金額(様々な専門的な諸経費含め)に対して、根拠のある答えは出せずにいる。何かを作るということは、勝手に、つまり自由にすることができる。ただそのことが、専門的なサポートを得てできる、流通するものであるかどうかは、確かじゃない。それは、それだけのものを作ることができなければ、決して根拠をもって説明することができないことなのだと思う。

そしてきっと、根拠を示すことができる、それだけのものを作ることができれば、たとえそれが普段は劇場ではない場所での舞台であったとしても、その空間こそが、「劇場」と呼ばれるものに変わるのだと思う。そんな空間にこそ、出会ったときに印象に残る力があるのだと思うし、それこそが、出会いたい「劇場(と呼ばれるもの)」の姿だと感じている。


2007年12月15日(土)

12/7 更新時機

正にここ数週間が、そんな感じかと。
いろいろと整理をしようとしていて、確かにしているけれど、まだこれからという感じ。


いつのまにか12月も1週間が過ぎていた。

2007年12月07日(金)

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